先日、テレビのドラマを見ていたら、主人公が「茶飲み話をする……」と、セリフをいっていました。若い人たちの間にも、生きているいい廻しなんだな、と、今さらながら感じました。
お茶にまつわる、また、茶に関連する言葉は、国語辞書などにも数多く載っていて、生き続けているのがわかります。これは私たちの暮らしや食生活、文化、それに歴史的にも、いつもお茶が身近にあるからでしょう。
それらのなかのひとつ、茶飲み友達、という言葉もよく浸透していて、お茶飲み仲間などといういい方も含めると、しばしば聞かれます。なんということもない世間話を楽しんだり、親しい間柄にある関係って、穏やかでいいものです。ご近所の親しい方たちとの行き来、また地域の交流など、気の置けない人たちとの雑談やちょっとした集まりには、必ずといっていいほどお茶が振る舞われ、世間話にも一層の花が咲くのです。
また辞書によれば、茶飲み友達は、年老いてから結ばれた夫婦などにいう、ともあります。古くからそんな意味でも使われていたのでしょうが、昨今、家族の関係や出会いも多様化し、夫婦のあり方も拡がっているようですから、どうやら、ほのぼのとした茶飲み友達も増殖中のような気配がありますよね。
午後になれば、今日もご近所の仲良しが訪ねて来てくれるのでしょうか。ただ互いの顔を見あって気づかい、いつものように空模様の話題からはじまる雑談を交わし、微笑みあう。そんなときに友野園のお茶が、人と人との橋渡しをお手伝いしているのだな、とも思っています。
そういえば、当園のお茶は、友とのお茶とも呼べるのかもしれません。どうぞ「友の茶」をご贔屓いただき、茶飲み友達と緩やかなひと時をお過ごし下されば幸いです。