お茶の花

栽培

落花流水

秋が深まりはじめ、狭山では10月の半ばを過ぎると、雪でも散らしたように、茶畑の緑のうねりのなかに、ぽつ、ぽつ、ぽつ、と白いものが点在します。近くに寄ってみると、小さな、白いツバキみたいな、可憐な茶の花々だと知れます。

茶の樹は、ツバキやサザンカと同族の植物です。花の姿も葉の様子も、だからそれらはよく似ています。そういえばサザンカは、山茶花と書き、古くから人々の間に、お茶の花に類する、と思われていたのでしょうか。

落花流水、という情緒ある言葉があります。落ち行く花に情があるならば、流水にもまた情があり、転じて、男に女を思う情があれば、女にもまた男を慕う情が生じる、という意味です。つまり男女間の、相思相愛のことをいいます。お茶を飲む際にも、茶葉と湯(水)が相愛であれば、いつも美味しくお茶がいただけるはずです。

やがて茶の花が散って、音もなく土に還って行く頃には、少しずつ肌寒さも進んできます。我が家の茶畑では、今年も無事に冬を越えられるようにと、手抜かりのない日々の世話と作業が続いています。

やっぱりここのがウマい、今日も友野園のお茶は美味しいよ、と、皆さまにご贔屓にされ続けていただけますように、と願って。

お茶の蕾
開花の始まり
開花
お茶の実
実割れ
落実
発芽