3000本の改植

栽培

『せいめい』3000本を改植しました。5年後に収穫できます。

狭山丘陵一帯には、美しい茶畑のグリーン・ベルトが眺められ、ここを生まれ故郷として作られる狭山茶は、とくに関東圏では、よく知られたお茶の定番銘柄のひとつです。

内陸の丘陵地に生産地があるため、大規模な、商業的なお茶の生産地としては、狭山はかなり冷涼な土地といっていいのかも知れません。

植物図鑑を開くと、茶の樹は、「チャノキ」として和名が掲載されています。学名は、Camellia sinensisとあります。

Camellia(カメリア)が属名で、そういわれると、どこかで聞き覚えのあるような名前……ではないでしょうか。カメリアは、ツバキ属に分類された植物すべてにつけられた属名です。つまり茶樹も、サザンカやヤブツバキなどと近縁の、同じ仲間なのです。

ところが、ツバキ属の植物が健気に秋冬季に花を咲かせるからといっても、茶の樹が寒さに強いわけではなく、むしろ気温に敏感な植物です。そんな樹を、健やかに伸長させるためには、日頃からの樹との対話がなにより必要です。

友野園では、それぞれに特徴のある13種類ほどの茶樹を、丹精込めて育てています。一般に、1本の茶の樹の経済的な寿命は長ければ50年ほどとされ、また、収穫までには長い時間と、手間が掛かることから、茶樹の改植はほとんど行われていません。

味のよさはもちろん、香りや水色も優れた茶葉を求めて、当園では、改植の手間も決して緩めてはいません。